兎徒然

うさぎのふきちゃんと、徒然なるままに日々を綴るブログ。

りんごとヴォルビックの一枚

 実家でですね、高校時代のデッサンをみつけ

たんですよ。

 な、懐かし〜。

 芸大受験を先生にめちゃくちゃすすめられて…でも私は世間一般がイメージする美大生が描く巧い絵、みたいなのは描けないと思っていて、デッサン力に不安しかなくて「私の画力で受験レベルのデッサンが描けるようになりますか?」って先生にいったんです。(先に言及しておくと芸大受験には失敗しました(^◇^;)

 そうしたら、「まずは描いてみたら?多分ね、描いたらわりと描けてしまうよ。」と言われ…初めてちゃんとしたデッサンを描こう!って描いたのがこれです。

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 ヴォルビックは、友達が帰りの電車で飲んでて、空になったのを貰ってきて、りんごは仏壇にあったものだった。ヴォルビックのデッサンめちゃくちゃだけど、自分が思ったよりは描けて、あ、本気でやってもいいかな、私…と思えた一枚なのでよく覚えている。(デッサンってなって鉛筆じゃなくて着彩してるのは、多分デッサン用の鉛筆を持ってなかったからだと思われる。)

 

 私は写実よりは自分の世界を描くことが好きで、デッサンはどれだけ我慢できるか、みたいなトレーニングとして捉えていたんだけど、やっておいて良かったと心から思うし、社会人になってから色々な仕事をしてきたけど、基本的に私が自信を持ってできるのは「造る」ことだけ。他のことはかなり気をはってやっているし、心身共に疲弊する。

 アート方面ではなくとも造ったり、作業を段取りよく最速で求められる時間内に(今自身が出せる)最高レベルで出すことは会社の業務でも役に立ってると思う。

 

 なにより私は絵以外のことで本気で何かと向き合って頑張ったことがないように思うので、これでいいか、とか、ここまでやったんだから、とかいう自分を押さえ込んで、我慢してその先に行く、という感覚をデッサンで初めてしった。

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 苦手なことより得意なものを好きに描いてきた私は、デッサンで不得意なものに初めてちゃんとぶつかった気がして、
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 我慢をしたら、先にはさらに喜びがあると知って、なんぼかの我慢ができるようになりました。

 我慢がめっちゃでていていいデッサンには全く見えないけど…笑。

 

 絵は思った通りにいかないのが面白かった。自分の中で、これはいけると思っていたら着地でどうしようもないくらい崩れたり、もうあかんわ、どうしよう…から神がかり的ないい線がみえてきたり…。

 

 絵をやりたい人によく、デッサンは必要ですか?ときかれるんだけれど、確実に巧くなりたいならデッサンはやるしかないと思う、というのが今の私の考えです。

 テクニックはあって余ることはないし、使わずとも持っておく方が良い。(念のため書いておくと、写真をうつすのは二義的な模写の一つで、デッサンではない。二次元→二次元に描くのはうつす、という感覚で、三次元→二次元はあらたに描き起こすかんじ。あーだこーだと数時間むきあって、間違えて、あたらしく発見することが目的で、その過程で眼と手が鍛えられるのであって、写実的な絵を完成させることが目的ではない。)

 

 

 人物の着彩クロッキーもでてきた。
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 楽しそうに描いてるなぁと今みてもおもう。